【SEOイベント報告】Copywriting Conference 2019
本記事は2019/10/11にロンドンで開催された「Copywriting Conference 2019」のイベント参加レポートです。全部で6セッション構成のイベントで、コピーライティングのプロである6名のプレゼンテーターからコピーライティングに関する様々な情報が発信されました。セッションについてご紹介します。
コンバージョンコピーライティング
【Copywriting Conference2019】第1セッションは、「コンバージョンコピーライティング」というテーマでcopyhackers.comのJoanna Wiebe氏のプレゼンテーションでした。
コンバージョンにつながるコピーライティングを考えるにあたり、「顧客の声からコピーライティングのヒントを得る」という視点で考える、新たなコピー作成のヒントを学ぶことができました。
このセッションでJoanna Wiebe氏が強調していたことは、「顧客の声」からコピーライティングのヒントを得よう!というものでした。
コピーライターは、文章を作成する際に「どういった表現・文言を使用すべきか」を常に考えているかと思いますが、この「表現」「文言」で使用する言葉を「顧客の声」の中から探して活用していくと良い、ということでした。
また、顧客の声からは、コピーライターがコピーのヒントを見つけられる可能性が高く、自分の頭の中だけで考えるよりも顧客の声からコピーを探っていくことは、コピー作業の有効な手段であるとも述べていました。
以下、具体的にJoanna Wiebe氏が実践している「顧客の声から探るコピーライティングの進行方法」について解説していきます。
顧客の声から探るコピーライティングの進行方法
Joanna Wiebe氏が実践している「顧客の声から探るコピーライティングの進行方法」は、シンプルにまとめると下記の3ステップになります。
- 顧客の声に関するリサーチを行う
- 顧客の声から得たヒントを基にライティングを行う
- 検証する
Joanna Wiebe氏のプレゼンでは、特に1番の「顧客の声に関するリサーチ方法」について説明がありましたのでここについて、詳しく解説していきます。
顧客の声に関する4つのリサーチ方法
▼ 顧客の声を拾う方法としては次の4つが紹介されていました。
- 「アマゾンなどのレビューがついているサイトをチェック」
- 「経営者へのインタビュー」
- 「営業で直接お客様からきいた声をメールで活用」
- 「サンキューページの返答をチェック」
これら4つが全てではないですが、どれもコピーライティングをする上で参考になる情報であるとJoanna Wiebe氏は述べていました。
アマゾンのレビューからコピーのヒントを得る
商品の販促コピー等を考える際に、アマゾンなどのレビューサイトは非常に役に立つとJoanna Wiebe氏は述べていました。
アマゾンのレビューから顧客の心理に響くキーワードを見つけたり、文章考案の参考になったりと、コピーライティングのヒントが見つかる可能性が高く、レビューサイトはしっかり読むことを勧めていました。
また、競合他社の商品のレビューなども参考になるとも述べていました。
経営者へのインタビュー
2つ目は「顧客の声」とは異なりますが、「経営者にインタビューする」というものでした。
これは、商品を提供している経営者がもっている起業のストーリーや思いなどをインタビューし、そこからコピーライティングのヒントを得るというものです。
経営者へのインタビューを通してよりユーザーに訴求できるコピーや企業のブランドを確立できるコピーなどを見つけられる可能性があり、企業のあらゆるコピーを考える上でかなり有効なことであると述べていました。
営業で直接お客様からきいた声をメールで活用
3つ目は「営業活動で直接お客様からきいた声をメールで活用する」というものでした。
営業活動をしていく中で、顧客から商品やサービスに関するヒアリングをする機会や新規顧客への訴求を行っていくことなどがあると思いますが、この営業活動の中で聞いた、「~が心配」「~について教えてほしい・知りたい」などの「顧客の声」を抽出し、それを営業メールなどで活用していくというものです。
例えば、「○○について心配している方が多い」「○○についてよく聞かれる」など、顧客から聞いた言葉・キーワードを基に、メールの文章を構成し、訴求するコピーを考えていくということです。
この方法は、営業でどういう文言を使用すべきか悩んだ時に有効な手段の一つとして活用できると述べていました。
Thank-you-pageの返答をチェック
最後に紹介されていたのは、「Thank-you-pageの返答を活用する」というものでした。これは、イベント・サロン・特定のグループに参加した人からコピーライティングのヒントを得るというものです。
例えば、「コピーライティングの講座」というものを開くとします。この講座の参加者を募集するにあたり、ホームページにこの講座への申し込みフォームを設置します。
そのフォームで申し込みをしたら、最後の申し込み完了画面に「申し込みありがとうございます(英語であればThank you!)」などといった感謝を表すページを表示させます。
これをThank-you-pageと呼ぶのですが、ただ申し込みありがとうございますと表示させるだけでなく、「なぜ申し込みをしてくれたのか」など、参加者の考えていることなどを記述できるフォームを入れておくことにより、次回募集する際の募集用コピー考案のヒントを得ることができるといったことです。
もちろん参加後の声などもコピーのヒントになることがあるので、しっかりとヒアリングしておくと良いとJoanna Wiebe氏は述べていました。
「顧客の声」以外の様々な情報にもアンテナを張る
今回は「顧客の声」を軸にコピーライティングのヒントを探る方法についてプレゼンしていましたが、「コピーライティングには他にも考慮すべき点がたくさんある」ともJoanna Wiebe氏は強調していました。
例えば、SEO・データ解析・UXなど、コピーライターとして知っておくべき知識・情報はたくさんあるので、それらの情報にも常にアンテナを張ってコピーライターとしてのレベルアップを目指しましょうと述べていました。
SEM Plus編集部からのコメント
今回は「顧客の声からコピーライティングのヒントを探る」ということで、顧客の声をコピーに活用していく術を学べるセッションでした。弊社でも今後「顧客の声から探るコピーライティング」を実践し、より良いコピーを作成できるように取り組んでいきたいと思ったセッションでした。
行動のバイアス | EASTフレームワークについて理解する
【Copywriting Conference2019】第2セッションは、Richard Shotton氏によるプレゼンテーションで「Behavioural Biases(行動のバイアス)」というテーマでした。今回のプレゼンではEASTというフレームワークをコピーライティングに活かす方法について説明していました。
みなさんは「ナッジ」という言葉をご存知でしょうか。
ナッジとは2008年にシカゴ大学のリチャード・セイラー教授とハーバード大学のキャス・サンスティーン教授により発表されたコンセプトのことで、人々が強制によってではなく自発的に望ましい行動を選択するよう促す仕掛けや手法を示す用語として使用されています。
また「ナッジ(nudge)」は、直訳すると「ひじで軽く突く」という意味であり、行動経済学や行動科学分野においてよく聞く言葉です。
このナッジを実践するにあたり、検討すべきポイントをまとめたのが、今回Richard Shotton氏がプレゼンした「EAST」というフレームワークです。「EAST」は4つの単語の頭文字を取ったものです。
【EAST】
「Easy」/「Attractive」/「Social」/「Timely」
▼ それぞれ以下のような意味になります。
- 「Easy」:望ましい行動をとってもらいやすくするために、行動のハードルを下げること
- 「Attractive」:人を引きつけるような魅力的なものにすること
- 「Social」:人々が影響を受ける社会環境や規範を適格に利用すること
- 「Timely」:適切なタイミングで行うこと
Richard Shotton氏は、「コピーライティングを進めていくにあたり、このEASTフレームワークがコピーライティングのヒントになることがある」と述べており、以下、EASTそれぞれの具体的な意味や例とコピーライティングでの活用方法についてまとめました。
Easy - 簡単なものにして行動のハードルを下げる
「Easy」:簡単なものにして行動のハードルを下げるということになります。
コピーライティングに落とし込んで考えた場合、単純に簡単で理解しやすい文章表現にすることや、WEBサイトなどでユーザーがとる行動(ボタンを押す・選択肢の中から何かを選択する等)を簡易的なものにして、行動しやすくさせるなどのことを指します。
Richard Shotton氏は、人間は「簡単なものであれば行動を起こしやすい」という心理があるので、これに則り、より行動を起こしやすい表現や状態をつくると良いと述べていました。
【例】:WEBサイトで商品購入・サービスの訴求文章を作る際に各ステップの内容を簡単なものにする。
- 商品・サービス紹介
難しい表現は使わずにできるだけ簡潔で分かりやすく。 - 購入ステップ
購入は〇〇をするだけ!サービスの利用開始は〇〇をするだけ!といった感じで極力簡単なものにして行動してもらいやすくする。 - その他
選択肢を設けるときは、選択についての詳細を記述しておいたり、デフォルトで選択しておいたりして、行動の負担を減らす。
Attractive - 人を引きつけるような魅力的なものにする
「Attractive」:人を引きつけるような魅力的なものにするということです。
これはコピーライティングと聞いて一番想像しやすいことだと思いますが、人の目を引いたり、記憶に残せるようなコピーを考えるということです。
具体的には、訴求文言やメッセージを端的なものではなく、工夫した表現を使用したり、視覚的に印象に残るような表現をしたり、短く単純化されたコピーを考えたり等、しっかりと魅力的なものにしましょうとRichard Shotton氏は述べていました。
Social - 人々が影響を受ける社会環境や規範を適格に利用する
「Social」:人々が影響を受ける社会環境や規範を適格に利用するということです。
人間は身の回りにいる人間や社会的環境から影響を受けることが多く、このことはコピーライティングを考える上でも役に立つ知識であるとRichard Shotton氏は述べていました。
例えば、訴求文章を書く際に、「他のクライアントはほとんど〇〇を選んでいる。」「〇〇を好んでいる。」と伝えたり、実際に周りの人が行っているものを見せたり、また、「社会的にどういった動きがあるか」「どういった規範があるか」などを活用していくと行動を促してくれる可能性が高まると言われています。
Timely - 適切なタイミングで行う
「Timely」:適切なタイミングで行うということです。
別の言い方をすると、いつどのタイミングでコピーを世に出したり、クライアントに提示するかということです。
季節のイベントなどは訴求のタイミングとして分かりやすい例です。年末年始・クリスマス・バレンタインなどいろいろな行事や個人レベルでもさまざまな選択をするステージがあると思いますが、いつ訴求すれば一番行動を促すことができるかを考えることも重要であるとRichard Shotton氏は述べていました。
SEM Plus編集部からのコメント
今回は「EASTフレームワークからコピーライティングのヒントを探る」ということで、EASTをはじめとする行動心理学から活用する術を学べるセッションでした。
弊社でも今後EASTなどをヒントに行動を起こしやすいコピーライティングを実践し、より良いコピーを作成できるように取り組んでいきたいと思ったセッションでした。
コピーライターのためのSEO
【Copywriting Conference2019】第3セッションは、「SEO for Copywriters」というテーマでBrightonSEOのKelvin Newman氏によるプレゼンテーションでした。
コピーライターのためのSEOということで、今回は他サイトの解析を基にしたSEOコピーライティングの方法について述べていました。
プレゼンテーション冒頭では、SEOの本質である「ユーザーにとって価値のあるコンテンツを作成する」という点を強調していました。
「コピーライティングをするときにSEOを意識しすぎて、ユーザーの視点を無視しないように気を付けましょう」とKelvin Newman氏は述べていました。
また、下記のようにGoogle検索エンジンが上位表示させたいページの特徴についても説明していました。
【検索エンジンがSEOで上位表示させるサイトの大まかな特徴】
- デザイン・ビジュアルレイアウトが良い
- よく書かれている
- 信憑性がある
etc…
他サイトの解析からユーザーが求めていることを探る方法
SEOとライティングについては様々なテーマがありますが、今回Kelvin Newman氏は「他サイトの解析からユーザーが求めていることを探る方法」というテーマについて一番重きを置いてプレゼンしていました。
「他サイトの解析からユーザーが求めていることを探る方法」
具体的には、特定のクエリで上位表示されているサイト・ページのテキストを解析し、コピーライティングをする際の参考にする方法のことです。
「上位表示されているページは、ユーザーにとって価値のあるコンテンツであるとGoogleに認識されているページである」ということから、上位ページの解析をすることで、自サイトのコンテンツにはない部分や改善余地が見つかることが多いです。
なので、コピーライティングをする上で、他サイト解析は重要な作業の一つであると強調していました。
以下、これを実践する5つのメソッドについてKelvin Newman氏から説明があったので順番に解説していきます。
メソッド1:ワードクラウドを使用する方法
1つ目のメソッドは、「ワードクラウドを使用する方法」です。
【ワードクラウドとは】
文章の中で出現頻度が高い単語を抽出し、出現頻度に応じた大きさで図示する手法のこと
- https://www.textise.net/というツールを使ってテキストを抽出。
※TextiseはツールにURLを入れるだけでテキストだけを抽出してくれる便利なツールです。 - https://www.jasondavies.com/wordcloud/で使われているクエリを探る。
※Textiseで抽出したテキストをこのワードクラウドツールに入れると出現頻度に応じた大きさで図示されます。 - 図のクエリからヒントを得て、コピーライティングの参考とする。
※他サイト内でよく使われているクエリをチェックして、自サイト内のコンテンツを見返してみましょう。
メソッド2:ベン図からクエリを探す方法
2つ目のメソッドは、ベン図を作成してそこからクエリを探る方法です。
- https://www.textise.net/というツールを使ってテキストを抽出。
※TextiseはツールにURLを入れるだけでテキストだけを抽出してくれる便利なツールです。 - http://writewords.org.uk/word_count.aspというツールを使ってリストを作成
※Writewordsは文章の中の単語を使用頻度が多い順に上からリスト化してくれる便利ツールです。 - https://bioinfogp.cnb.csic.es/tools/venny/というベン図作成ツールにリストを入れてベン図を作ります。
※例えば上位2ページのリストを入れて、自社サイトのリストも入れると3サイト比較のベン図が作れます。 - ベン図の内容をみて他サイトとの比較を行い、それを参考にコピーライティングをすすめる。
メソッド3:競合サイト内のフレーズを探る
3つ目のメソッドは、競合サイト内で使用されているフレーズ探る方法です。
- https://www.textise.net/というツールを使ってテキストを抽出。
※TextiseはツールにURLを入れるだけでテキストだけを抽出してくれる便利なツールです。 - 抽出したテキストをワードに貼り付けて、自サイトにはないフレーズや言い回しを調べる。
SEOのみならずコピーライティングを考える意味でも効果的な方法です。
メソッド4:Google画像検索を使用する方法
4つ目のメソッドは、Google画像検索を使用する方法です。
Googleの画像検索を使用して、各画像の説明に使われているテキストを参考にしたり、画像内に入っているフレーズを参考にして、コピーライティングに反映させていてくというものです。
Pinterestの検索結果を使用する方法
5つ目のメソッドは、Pinterestの検索結果を使用する方法です。
Pinterestの画像検索を使用して、各画像の説明に使われているテキストを参考にし、コピーライティングに反映させていくというものです。Googleの画像検索活用と似ています。
「どちらもコピーライティングをする上でのヒントがあることが多い」とKelvin Newman氏は述べていました。
SEM Plus編集部からのコメント
コピーライターのためのSEOということで、SEO自体に関する話から実践的なことまで幅広く網羅されているセッションでした。弊社でも競合解析調査やコピーライティングの考案時にぜひ実践していきたいと思いました。
ソーシャルメディアとブランディング | 必要な11の要素
【Copywriting Conference2019】第4セッションは、「ソーシャルメディアとブランディング」というテーマで、agoodwriteupのJo Watson氏からのプレゼンテーションでした。
「ソーシャルメディアを通していかに自身をブランディングさせていくか」という内容を軸に、コピーライティングをどのようにブランディングに活かしていくかについて説明がありました。
Jo Watson氏は、プレゼンテーションの冒頭で「ソーシャルメディア上で自身をブランディングしていく際は、いくつかコピーライティングと関連する要素があるので、この要素をしっかりと理解し今後のブランディングに活かしてほしいです」と述べていました。
以下、紹介されていたブランディングに必要な11の要素について解説していきます。
自らの専門分野をしっかりと明示する
1つ目の要素は、「自分の専門分野をしっかりと明示する」です。
自分がどういったことを専門に扱っている人間なのか、またその分野に携わっている思いや理由、どういったスタイルで仕事を受けているかなどをしっかりと明示することにより、自分が何者であるかを理解してもらいやすくなります。
これは最低限必要な要素の一つであり、専門分野を明確に示すことは大切なことであるとJo Watson氏は述べていました。
自分が現在行っていることを明示する
2つ目の要素は、「自分が現在行っていることを明示する」です。
自身の専門分野の中で、具体的に今何をしているのかをタイムリーに明示していくことです。自分が扱っていることを具体的に記載し、「○○のことならこの人からの情報を確認してみよう」と思ってもらえるようになると、定期的に自身が発信している情報を見に来てくれたりもします。
自分がどんなことをしている人間かはできるだけ詳しく書いていきましょう。
自分の言葉・表現で発信していく
3つ目の要素は、「自分の言葉・表現で発信していく」です。
SNSで投稿する際や、自身のブログやホームページの更新時などで、あまり一般的でフォーマルな表現になり過ぎないように、普段自分が話しているような感じで言い回しや表現を投稿していくことです。
自分の表現を使用することにより、自身のキャラクターが読者に伝わり、結果として印象に残っていきます。「コピーライティングをする際には、この言い回しについてこれを機に再考してみてるのも良いと思います。」とJo Watson氏は述べていました。
ビジネスページやグループ以外でも発信する
4つ目の要素は、「ビジネスページやグループ以外でも発信する」です。
これはシンプルに、どこか特定のグループ内だけでの発信ではなく、幅広く発信していきましょうということです。
ソーシャルメディアなどで、自分のビジネスに関わるグループなどでの発信しかやらない人がいますが、もっと幅広く発信していきブランディングしていくと良いとJo Watson氏は述べていました。
投稿内容と記事内容を一致させる
5つ目は、「投稿内容と記事内容を一致させる」です。
自身のSNSで投稿する際に、投稿する内容と自信がブログやホームページで作成した記事内容を一致させるということです。
また、ソーシャルメディア上でのブランディングにあたり、「どのような投稿をすると自身の専門分野のブランディングにつながっていくか」をしっかりと考えた方が良いとJo Watson氏は述べていました。
関係のない内容や投稿はブランディングに影響を及ぼす可能性があるとも述べていました。
他者の投稿を通して交流をしていく
6つ目は、「他者の投稿を通して交流をしていく」です。
これはシンプルに他社の投稿に反応し、交流を広げていきましょうということです。特に、同じ分野の人や関連のある人に対して、積極的にコメントやコンタクトなどでつながっていくことをおすすめしていました。
ブランディングそれ自体を目的にしない
7つ目は、「ブランディングそれ自体を目的にしない」です。
これもシンプルなことですが、「ただ有名になりたい」などの理由でブランディング自体を目的にせず、ブランディングの先にある目的をしっかりと持っている上でブランディングをしていくことが大切ですとJo Watson氏は述べていました。
投稿に良い貢献をしてくれた人に反応する
8つ目は、「投稿に良い貢献をしてくれた人に反応する」です。
自身が投稿してくれた内容に対してポジティブなコメントをしてシェアしてくれた人などに対してしっかりと反応していくということです。
こまめなことですが、こうしたことを積み重ねていくことでファンができたり、ブランディングの促進につなげることができます。
積極的につながる
9つ目は、「積極的につながる」です。
先程、6つ目で他者の投稿を通して交流していくことを挙げましたが、逆に自身に対して連絡が来た場合も良いチャンスである可能性があるので積極的に応答していきましょうということです。
他人のブランディング方法を真似る
10番目は、「他人のブランディング方法を真似る」です。
自身の分野に関係なく、ブランディングが上手な人の手法を真似て、自身のブランディングに活かしていくということです。
そして、以下の11番目につながるのですが、他の人が行っていないブランディングをしてオリジナリティを出していきましょうとJo Watson氏は述べていました。
他の人が行っていないブランドを構築する
最後は、「他の人が行っていないブランドを構築する」です。
10番目の続きとして述べていましたが、いろいろな人のブランディングを見て学習し、試行錯誤しながらオリジナルのブランドを構築していくことが大切であるとJo Watson氏は強調していました。
SEM Plus編集部からのコメント
今回はソーシャルメディアでのブランディングということで、ブランディングという視点でのコピーライティングを考える際に基本となる考え方を知ることができました。
コピーライティングとブランディングは接点が多いものでもあるので、ブランディングという視点から考えていくことは新たな発見となりました。弊社運営メディアでも、ブランディング面をしっかりと意識していきたいと思います。
UXコピーライティングについて
【Copywriting Conference2019】第5セッションのテーマは、「UXコピーライティング」でした。UXとコピーライティングに関する内容でlauramarieparker.comのLaura Parker氏からプレゼンテーションがあり、UXの観点からコピーライティングについての新たな見識を得ることができたセッションでした。
プレゼンテーション冒頭では、通常のコピーライティングとUXコピーライティングの違いについて説明がありました。
通常のコピーライティングは主に販促を目的としたライティングであり、UXコピーライティングは製品やサービスとの接触時に使用されるものです。
例えば、ページ内のボタンテキスト・メニューラベル・エラーメッセージ・契約条件・各種ポップの文言などがあります。
これらの場合に使用されるものがUXライティングと呼ばれるもので、ユーザーが製品やサービスとの接触することを想定し、どのような表現をしていくかを考えていくものです。
UXコピーライティングで大切な3つのこと
▼ 今回は、このプレゼンテーションでは主に下記3点について説明がありました。
- 初めて製品やサービスに接触するユーザーを意識する
- コピーライターが知っておくべき統計データ
- デザイナーとの仕事術
以下、それぞれ順番に概要を解説していきます。
初めて製品やサービスに接触するユーザーを意識する
先程UXコピーライティングは「ユーザーが製品やサービスとの接触することを想定し、どのような表現をしていくかを考えいくもの」と書きましたが、Laura Parker氏は「初めて製品やサービスに接触する人を想定し、簡潔に分かりやすいUXコピーライティングを考えることが大切である」と強調していました。
これはつまり、製品やサービスの提供側はそのものに慣れていますが、初めて使用する人はそれに慣れていないため、初めての人の立場になってUX設計やライティングをすることが必要であるということです。
【例】
- あいまい言葉を使わない明確な表現
- 誰でもわかるシンプルな言葉の使用
など
また、Laura Parker氏はユーザーのアクセシビリティについてもしっかりと理解しておくことをおすすめしていました。
コピーライターが知っておくべき統計データ
セッション中盤では、コピーライターが知っておくべき統計データについての説明がありました。
【例】
- 読者は低頻出な言葉よりも高頻出な言葉を好む。
- 眼球運動(サッカード)について理解しておくこと。
- ユーモア表現・描写は必ずしも万人受けするわけではない。
※ 傷つく人もいるので扱いには注意する。
など、人間の読むことにおける特徴やデータについていろいろな例が提示されました。
インターネットでもいろいろとコピーライティングの参考になる統計データを学習できるので、背景知識として学習しておくことをおすすめしていました。
デザイナーとの仕事術
最後3つ目は、「デザイナーとの仕事術」です。
UXコピーライティングはその特性上、デザイナーと一緒に仕事をすることが多いです。
デザイナーと課題共有することも多く、解決すべき課題の対象もほとんど同じです。そのため、デザイナーとはしっかりと連携して仕事を進めていく意識が必要であるとLaura Parker氏は強調していました。
仕事術の例として、
- 事前にコピーのテキストをデザイナーに渡しておく(ワードなどではなく、テキストファイルで送る)
- しっかりとデザイナーからフィードバックを受ける。
- デザイナーが素晴らしいコピーを考えたら賞賛する。
などが挙げられていました。
簡単に言うと、「デザイナー(相手)の立場に立ってお互いが信頼できる関係を築く努力をしましょう」ということでした。
SEM Plus編集部からのコメント
UXコピーライティングはあまり聞き慣れていない分野でしたが、体系的にUXを絡めたコピーライティングについて知ることができ、販促以外のコピーライティングも考えることがたくさんあることを学習できたセッションでした。
信頼の証 – Skin in the game
【Copywriting Conference2019】最後のセッションのテーマは、「Skin in the game」でした。Skin in the gameとは「自身の発言や行動に対して自らリスクを背負っている状態」を表す言葉で、プレゼンテーターのHarry Kapur氏からSkin in the gameを軸としたコピーライティングの考え方について説明がありました。
「Skin in the game」とは「自身の発言や行動に対して自らリスクを背負っている状態」を表している言葉で、他人の信頼をはかる際によく使われる表現の一つです。
【投資の場面における例】
自分が考案したビジネスに関して、投資家に投資の依頼をする際に、自己資金もしっかり投じて事業計画を練っているか(=自身もリスクを背負ってやろうとしているか)という具合に、「自分が言っていることや行動していることに対してリスクを負っているかどうか」でその人の言動を信頼できるかどうか判断する一つの要素となることがあります。
Skin in the gameを意識する理由
コピーライティングにおいては、この「Skin in the game」を意識することがとても大切であるとHarry Kapur氏は述べていました。
- 自分が書いている内容に責任を持っているか。
- 自分の原体験に基づかないものを書いていないか。
- 変に誇張された文章になっていないか。
など、コピーライティングおける「Skin in the game」の重要性を強調していました。
「Skin in the game」を意識しないと、文章の信頼を得ることが難しく、逆に自分が身をもって経験したりしたことなどを書くことは良いコピーライティングにつながると述べていました。
「Skin in the game」を実行するためにできる4つのこと
Harry Kapur氏は「Skin in the game」を実行するためには具体的に下記4つのことが重要であると述べていました。
- 飾らず正直に書く
- 事実だけでなくオピニオン調査もする
- 原体験を大切にする
- 書くだけでなく行動する
以下、それぞれについて解説していきます。
飾らず正直に書く
1つ目は、「飾らず、正直に書く」です。
先程も書きましたが、世の中には変に誇張されていたり、相手を誤解させたりさせるようなコピーがたくさんあります。「自分が書くものは変に飾らず正直に、読み手に対して責任を持てること意識して書いていきましょう」とHarry Kapur氏は述べていました。
事実だけでなくオピニオン調査もする
2つ目は、「事実だけでなくオピニオン調査もする」です。
これはコンテンツを書く際に、ただ事実を伝えるだけでなく、それに関するオピニオンも調査して書くということです。
テレビのニュースを想像すると分かりやすいかと思います。何か出来事・事件が起きたりしたときに、近所の人の声をきいたり、専門家の意見を聞いたりしているかと思いますが、これらの内容を入れることで、より興味をもたれ信頼されるコンテンツとなります。
原体験を大切にする
3つ目は、「原体験を大切にする」です。
ライティングをするときは、「自分が実際に実践・経験することを意識してみてください」とHarry Kapur氏は強調していました。
プレゼンの中では「Eat your own dog food」という表現をしていました。これはIT業界でよく使われる言葉で、「自分たちで自分たちのサービス・製品を使ってみる」という意味です。ライティングをするときも、自分が使ったり経験したりしたものを書くことでグッと信頼が増します。
「原体験に勝るものはない」ともHarry Kapur氏は述べていました。
書くだけでなく行動する
最後に述べていたことは、総括的な意味も込めて「書くだけでなく行動する」というコピーライターのマインドについてでした。
しっかりと調査し、自ら経験し、自分が書く内容についてしっかりと責任を持って発信していきましょうと述べていました。
SEM Plus編集部からのコメント
今回は「Skin in the game」ということで、コピーライティングに必要なライターのマインドについて学べるセッションでした。特に、「原体験を大切にする」ということはコピーライティングにおいて非常に重要なことであると感じました。
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