重複コンテンツとは│基準と調べ方・SEO対策の影響を解説
重複コンテンツとは、内容が全く同じ、もしくは非常に似ているコンテンツが複数ありそれぞれ独立したURLが存在しているコンテンツを指します。重複コンテンツがあると検索順位が下がる他、検索結果に表示されない可能性があるため重複コンテンツの発生を防ぐ対策が必要です。本記事では、重複コンテンツの調べ方や対策方法などを解説します。
重複コンテンツとは?
重複コンテンツとは、ドメイン内外で、酷似したコンテンツが存在している事を指します。メディアサイトなど、定期的にページを増やしていくサイトの場合、既にあるページと似ているページ(重複コンテンツ)を作成してしまう事があります。
重複コンテンツがある事で、SEOの評価の低下やユーザビリティの低下を招く可能性があるため、Googleは重複コンテンツを避けるよう推奨しています。
次の項目で、重複コンテンツはどのような状態を指すのか具体的に解説します。
ドメイン内、もしくは複数のドメインに酷似したコンテンツがある状態
重複コンテンツとは、同じ内容のコンテンツがドメイン内やドメイン外にまたがって存在していることを指します。つまりURLが異なるにも関わらず、コンテンツやページタイトルが一致、あるいは非常に類似している状態です。
具体的には、以下の場合が重複コンテンツとして挙げられます。
ケース | 例 |
---|---|
コンテンツが完全に一致しているURLが複数存在している | 「wwwの有無」「http/https」などURLが正規化されていない場合など |
コンテンツが酷似しているURLが複数存在する | ページタイトル・ページ内のコンテンツが酷似しているテーマでページを複数作成しているなど |
コンテンツが一部異なっていて、URLが複数存在している | ECサイトでカラー違いのURLが生成されている場合など |
異なるドメイン(URL)で、コンテンツが同じ | プレスリリースサイトやニュースサイトへの掲載や、許可なく転載されている場合 |
このように重複コンテンツとは、様々な状況で発生する可能性があります。
自サイト内の重複も、外部サイトとの重複も対象
前述した通り、重複コンテンツは外部サイトと自サイト間で重複しているケースと、自サイト内で重複している2つのケースが対象となります。
また、外部サイトと自サイト間で重複コンテンツが発生するケースには、悪意を持って盗用されたコピーコンテンツと、悪意がなく発生したケースがあります。
悪意のあるコピーコンテンツは不正であることは言うまでもありませんが、基本的に重複コンテンツが発生するケースは、自サイト内外限らず意図せず発生していることがほとんどです。
悪意がなくとも、重複コンテンツの発生はSEOに悪影響を与えるため気を付ける必要があります。次項では、具体的にどのようなケースが重複コンテンツと判断されるかを解説します。
重複コンテンツと判断される基準
重複コンテンツは、重複している割合が「20〜30%」ほどであれば該当しないと言われています。しかし以下で紹介するケースは、コンテンツの内容がほとんど一致するため重複コンテンツと判断される可能性が高いです。
それぞれの具体的な対策については、後述しますので確認してください。
モバイル版とPC版で異なるURLがある場合
WEBサイトのURLを、パソコン、モバイル(タブレット)それぞれ別のドメインやディレクトリ別に作成しているケースは重複コンテンツと判断される可能性があります。
【PC・モバイル版のURLが異なる例】
PC版のURL | https://white-link.com/ |
モバイル版のURL | https://white-link.com/sp |
上記例のように、PC版とモバイル版でページの内容は同じであるのに、異なるURLが存在している場合は、Googleから別のコンテンツ=重複コンテンツとして認識される可能性があります。この場合は、alternateタグとcanonicalタグを使用して正しいページを指定する対策が必要です。
ただし、レスポンシブデザインに対応してしている場合は、問題ありません。
「wwwの有無」「http/https」などURLが正規化されていない場合
URLの正規化が行われていない場合も、重複コンテンツと判断されるケースがあります。
URLの正規化とは、同一内容のコンテンツの中から、どのURLを評価してもらいたいかを、1つに定めて検索エンジンに明示する施策のことです。
検索エンジンはURLごとにページの評価を行うため、URL正規化を行っていない場合は、不要なページをクロールさせてしまうほか、評価が分散されてしまう、クロールがしきれないなどSEOにとってマイナスの要素に繋がります。
【URLが正規化されていない例】
- www有り/www無し
- http/httpsの違い
- URL末尾に「index.html」の有り/無し
- URL末尾に「/」の有り/無し
パラメータやセッションIDが付与された動的ページがある場合
パラメータやセッションIDなどの動的ページの場合、元のURLに加えて動的ページのURLが生成されるため重複コンテンツが発生します。
動的ページとは、条件に応じて異なる内容のページが自動で生成され表示するページのことです。ECサイトのバリエーション別の検索結果や、会員制サイトなどユーザーの条件によって表示させる内容が変わる場合には、パラメータ(アクティブパラメータ)が付与されます。
【動的ページの例】
パラメータなし | https://www.white-link.com/ |
パラメータあり | https://www.white-link.com/?〇〇〇=□□□ |
次にセッションIDとは、サイト内の複数ページに情報を共有できるようサーバに情報を保存し、どのユーザーの情報かを管理するものです。
例えば、ECサイトで利用する買い物カートは、他のページに遷移してもカート内の商品情報を保存しておかなければなりません。このようなケースに、セッションIDにより情報が紐づけできるようになっています。
動的ページのURLが生成されることで、Googleから別々のコンテンツとして認識されてしまうためURLの正規化を行いましょう。
パッシブパラメータを付与している場合
パッシブパラメータを付与している場合も、重複コンテンツとみなされる可能性があります。前述した動的ページのパラメータは、アクティブパラメータとパッシブパラメータの2種類に分かれています。
指定した条件によって表示内容が変化するタイプは、アクティブパラメータです。一方パッシブパラメータは、表示内容を変化させるためのものではなく、主にWEB解析やマーケティングなど、情報収集のために使用します。
WEBページの表示内容に変化はないものの、URLにパラメータが付与されるため、異なるURLが複数存在することになり重複コンテンツに該当するため注意が必要です。
コンテンツシンジケーションにより重複している場合
コンテンツシンジケーションの場合も、重複コンテンツに該当する可能性があります。
コンテンツシンジケーションとは、自サイト内のオリジナルコンテンツを、外部のメディアやWEBサイトに掲載してもらえるよう、共有や配布を行うマーケティング手法のことです。
ニュースサイトなどに、自サイトの記事を掲載してもらうことで幅広く拡散させることが可能になり、認知度アップに繋がるメリットが見込めます。
ただし、異なるサイトに同じ内容のコンテンツが掲載されていることになるので、重複コンテンツに該当する可能性があります。また大規模なニュースサイトなどドメインが強い場合には、自サイトのコンテンツよりも、掲載先の検索順位が上位になるケースもあり得るため対策が必要です。
また、Googleはコンテンツシンジケーションの場合、rel=“canonical”は非推奨としているため、配信先メディアに対してnoindexを付与することを推奨しています。
他サイトのコンテンツをそのまま転載している場合
他サイトから転載しただけのコンテンツは、重複コンテンツに該当します。他のサイトからコンテンツをそのまま転載している、または一部に修正を加えただけのコンテンツは、コピーコンテンツとも呼びます。
コピーコンテンツはオリジナルの情報ではなく、ユーザーに提供する付加価値が加わっていません。また、著作権法の観点から見ても問題のあるコンテンツです。
しかし、悪意がなくコンテンツを転載するケースも考えられます。例えば、専門性が高く権威あるサイトからの情報を引用するケースや、メーカーサイトの商品情報から販売サイトへ転載するケースなどが考えられます。この場合は、引用情報を記載し対応しましょう。
重複コンテンツはペナルティになるのか?
重複コンテンツが発生していると、Googleからペナルティを受けることはあるのでしょうか。詳しく解説します。
結論:重複コンテンツ自体はペナルティの対象ではない
複数のページに多少の重複が発生していたとしても、Googleからペナルティを受けることはありません。
Google公式サイトでも、ページ内に重複した内容が発生することは自然で通常のことであるため、ポリシー違反にはならないと述べています。また、Googleのマット・カッツ氏自身もコンテンツの重複はある意味正常であると名言しています。
ただし、ペナルティが無いからといって、重複コンテンツの対策をしないままにしておくと、ユーザーエクスペリエンスの悪化に繋がる可能性があります。
さらに、重複コンテンツはURLが複数に分かれるため、アクセス数の計測などのコンテンツのパフォーマンス計測が正しくできない可能性もあるため、対処が必要になります。
悪意のある重複コンテンツはペナルティの対象になる
前述した通り、重複コンテンツ自体はペナルティの対象にはなりません。ただし、無断に複製されたなど悪意のある重複コンテンツは、ペナルティの対象となります。
悪意のある重複コンテンツとは、他のサイトのコンテンツを複製し引用元の記載をせずに自サイトに掲載することや、複製したコンテンツの一部を修正しただけのオリジナリティのないものです。
無断に複製したコンテンツが品質のよいものであっても、自サイトの付加価値をユーザーに提供できないため、Googleからの評価が下がることに繋がります。
重複コンテンツがSEOに与える影響
重複コンテンツ自体、意図しないケースが多くペナルティを受ける可能性は少ないですが、SEOにとってどのような影響を与えるのでしょうか。詳しく解説します。
正規ページのクロール頻度が下がる可能性がある
重複コンテンツがあることで、Googleのクローラビリティが悪化するため、検索順位にも影響します。
検索エンジンは、クローラーと呼ばれるロボットが各URLを巡回しページの情報を収集します。重複した内容のコンテンツがある場合、Googleは品質が最もよく、ユーザーにとって有益な情報に繋がるものを正規ページとして選び、検索結果に表示させます。
正規ページであると判断されたページは、高頻度でクロールが巡回するようになります。反対に、非正規ページについては、クロールの巡回頻度が低下します。これは、クローラーの負担を軽減して効率を上げるための仕組みです。
クロールの頻度が下がることで、本来表示させたいページが検索結果にあがらないケースや、本来上位を狙うべきでないページが検索結果に表示されるなど、SEOにとって悪影響を与えてしまうのです。
被リンク評価が分散する
GoogleはWEBページを評価するための1つに、被リンクの質や量を判断します。
被リンクとは、外部サイトに自サイトのURLが貼られることです。Googleは、「PageRank」と呼ばれるアルゴリズムにより、ユーザーにとって価値のあるコンテンツは、多くのリンクが貼られているという思想のもと、被リンクの質と数でページの評価をしています。
しかし重複コンテンツが存在することで、ユーザーが閲覧するページが複数に分かれるため、被リンクも分散されます。本来1ページで集めることができた被リンクの評価を分散させることとなり、Googleからの評価が薄れてしまいます。そのため重複コンテンツは、SEOにとってマイナス影響を与えると言えるでしょう。
ユーザーエクスペリエンスの悪化に繋がる
重複コンテンツが存在すると、ユーザーエクスペリエンスの悪化にも繋がります。
検索結果に、同じような情報が複数のページに掲載されていると、ユーザーは似たようなページを繰り返し閲覧することになります。その結果、ユーザーは新しい情報が得られないといったストレスを感じるでしょう。
さらに、複数のページに同じコンテンツが掲載されていると、サイトへの不信感を抱くリスクもあります。ユーザーのストレスやサイトへの信頼性を損なうことは、ユーザーエクスペリエンスを悪化させます。
その為、コンテンツの重複を避け、ユーザーにとって情報を分かりやすく提供できるオリジナルコンテンツであることが重要です。
重複コンテンツの調べ方
重複コンテンツは気付かないうちに発生している可能性があるため、ツールを利用して定期的にチェックすることが大切です。
重複コンテンツを調べる方法は、主に以下の2つの方法があります。
自サイト内の重複コンテンツはGoogle Search Consoleで確認する
自サイト内の重複コンテンツの確認は、Google Search Consoleを使いましょう。
『Google Search Console』はGoogleが無料で提供するツールで、自サイトの検索結果の検索順位、どのようなキーワードで検索されているか、インデックス状況の確認など検索結果に関する状況の確認ができます。
また、重複コンテンツを確認できる機能も備わっており、自サイト内の重複を確認できるほか、重複コンテンツによるペナルティを受けていないかも調べることができます。
【重複コンテンツがないかの確認方法】
- 左側メニューの「インデックス作成」の「ページ」を選択します。
- 重複しているコンテンツがある場合、メッセージ表示されます。
【重複コンテンツによるペナルティを受けていないかの確認方法】
- 左側メニューの「セキュリティと手動による対策」を選択します。
- 「手動による対策」を選択します。
- ペナルティ対象となっているものがあれば画面中央に表示されます。
なければ、「問題は検出されませんでした」と表示されます。 - 問題が検出された場合は、指示に沿って改善していきます。
他サイトとの重複コンテンツは類似判定ツールで確認する
他サイトとの重複コンテンツを確認するには、類似判定ツールで確認ができます。類似判定ツールは、「sujiko.jp」と「CopyContentDetector」がおすすめです。それぞれ確認方法を紹介します。
sujiko.jp
sujiko.jpは、特定のページと類似していないかを確認できるツールです。サイト内、サイト外の類似ページを確認することができ、2つのページのURLを入力して判定を行います。
【sujiko.jpの使用方法】
URL入力欄に2つのURLを入力して、「判定」をクリックすると以下のような判定結果が表示されます。
総合判定結果は、「激似」「高」「中」「低」の4段階で判定されます。その他に、タイトル・本文・HTML別の類似度をそれぞれ確認することができます。
会員登録は不要で、1日5回までであれば無料で利用が可能です。2つのページが似ている可能性があるなど、事前に確認の必要性がある場合の利用に向いています。
CopyContentDetector
CopyContentDetectorは、コンテンツの内容が他サイトと重複していないかを確認できるツールです。コンテンツのテキストを貼り付けてチェックすると、WEB上に存在するサイトを対象に、類似率を判定してくれます。
回数制限がなく会員登録も不要で、4,000文字位内のコンテンツであれば無料で確認することができます。有料プランの場合は8,000文字まで対応しています。
【CopyContentDetectorの使用方法】
- 調査対象テキストの欄に、重複確認したいテキストを貼り付けます。
- 「規約に同意してコピペチェックする」をクリックします。
- 完了通知が表示されるので、リロード(再読み込み)します。
- コピペチェック結果一覧に、下記のようにステータスと類似率が表示されます。
・類似度判定:WEB上にある文章とどれくらい似ているか判定した結果
・一致率判定:文章を細かく分けて機械的に判定した結果
・テキスト判定:CopyContentDetectorでコピペチェックした文章との判定結果 - さらに「詳細表示」をクリックすると、テキストごとの一致率がわかります。
一致率が高いテキスト部分をカラーでマーキングしてくれます。
・赤色:完全に一致
・黄色:一部一致(コピーの可能性が高い)
・青色:一部一致(コピーの可能性が低い)
重複コンテンツを発見した場合の対処法
重複コンテンツを発見したら、重複原因に沿って対処する必要があります。間違った対処法をすると、反対に検索結果を下げる可能性もあるため、それぞれのケースに合わせた対策をしましょう。
「rel="canonical"」linkタグを使い正規ページを指定する
「canonical」は、検索エンジンに正規のURLを伝えるために付け加えるタグのことです。canonicalタグを付け加えることで、重複や類似しているページがある場合でも、正規のURLを指定することができるため、クロールの頻度が下がることや被リンクの評価が分散される心配がなくなります。
例えば、パラメータを追加するケースでは、両方のURLをユーザーに閲覧してもらう必要があります。
- https://white-link.com/(元のページURL)
- https://white-link.com/?〇〇〇=□□□(パラメータが加わっている)
1.を正規URLとしたい場合、2.のHTMLの<head>内に、以下のタグを追記します。
<head>
<link rel="canonical" href=" https://white-link.com/ ">
</head>
正規URL以外のURL、つまり重複しているページ全てに、それぞれタグを追記することで正規ページを指定できます。ただしこの方法は、HTMLにタグを追記する方法です。PDFファイルなどの場合には適応していないため後述する方法を確認してください。
【有効なケース】
- 動的ページなどパラメータの有り無しの場合
- 正規ページ・非正規ページ共にユーザーに表示させたい場合
モバイル版がある場合は「rel="alternate"」linkタグを指定する
PC版のURLとは別にモバイル版のURLが存在する場合に、PC版とモバイル版、それぞれのHTMLに下記linkタグを追記します。
- PC版:「rel="alternate"」
- モバイル版:「rel=”canonical”」
PC版のHTMLに、「rel="alternate"」を記述することで、検索エンジンにモバイル版に対応した他のURLが存在することを伝えられます。モバイル版のHTMLに、「rel=”canonical”」を記述することで、正規のURL(PC版)が存在することを示せます。
【有効なケース】
- PC版とモバイル版のURLがそれぞれ存在する場合
「rel="canonical"」 HTTPヘッダーを使う
PDFファイルなどHTML以外のファイルを正規化する場合、HTTPヘッダーに「rel="canonical"」を追加する方法が有効です。HTTPヘッダーとは、WEBページを表示する際にブラウザとサーバがやりとりするデータの一部のことで、データに関する補足情報が書かれている部分です。
Googleに正規のURLを伝えるには、HTTPヘッダーに「rel="canonical"」を追記します。この方法は、重複したPDFファイルが複数ある場合にも適用が可能です。また「HTMLファイル」と「PDFファイルなどHTML以外」の、重複しているファイルが混在している場合にも活用ができます。
ただし、HTMLファイルにタグを追記する方法よりも難易度が高い、大規模サイトやURLを頻繁に変更するサイトでは管理が複雑になるという側面があります。
【有効なケース】
- PDFファイルが正規ページの場合
XMLサイトマップで正規URLを送信する
XMLサイトマップ(sitemap.xml)は、検索エンジンに向けてページの内容を知らせるために、URLや更新日などの情報を記述したファイルです。XMLサイトマップをGoogleに伝えることで、正規のURLを指定することができます。
ただし、前述した「canonical」タグを使用する方法よりもGoogleに対して伝える効力が弱いため、XMLサイトマップで正規URLを指定しても検索エンジンが必ずしも正規URLであると判断してくれる確証はありません。
その為、「canonical」を追記する方法と併用して使いましょう。
【有効なケース】
- 正規ページを指定したい場合
301リダイレクトを行いURLを統合する
301リダイレクトとは、複数のURLがある場合、正規URLに転送処理する方法です。301リダイレクトを行えば、ユーザーに正規URLのみを閲覧してもらえるようになります。
例えば、下記の1.と2.の内容が重複しており、1.を正規化させたい場合、
- https://www.white-link.com/
- https://white-link.com/
2.の非正規ページから、1.の正規ページに対して301ダイレクトを転送します。
301リダイレクトを行うケースは、正規URLのみ表示させたい場合です。例えば、WEBサイトを移設してURLが変更になる場合、元のサイトから新しいサイトにコンテンツを移行させ、なおかつ元のサイトのURLは残さなければなりません。正規ページを指定して、その他のページを残しておく場合に有効な方法です。
301リダイレクトを行うと検索結果に表示されるコンテンツは新しいものとなり、これまでのSEO評価は引き継ぐことができます。
【有効なケース】
- 「wwwの有無」「http/https」などURLが正規化されていない場合
他社の記事を引用する場合は、引用元を明記する
公式サイトからの見解や、アンケートやデータなどの収集結果など、外部のサイトの情報を紹介したり活用したりしたいという機会は多々あります。しかし引用元を明記せずに、他サイトの記事をそのまま複製して記載することは、著作権を侵害する問題があり違法です。
他社のコンテンツを引用する際には、必ず引用元を明記しておきましょう。
【有効なケース】
- 他社の調査結果や引用情報を掲載する場合
製造元の製品・商品説明をそのまま利用しない
商品をおすすめするサイトなど、他社製品を取り扱うサイトの場合は、製品や商品説明の文章をそのまま転載するだけのコンテンツは避けるべきです。
例えば、ECサイトなどで販売する商品の紹介をする際、製造しているメーカーの商品説明をそのまま使い回しすると、コンテンツの重複と判断される可能性があります。または、オリジナリティがなくユーザーに有益な情報を提供できないコンテンツだと判断されることもあります。
独自のコンテンツを付け加え、商品の詳細はリンクを張るなどし、説明文をそのまま利用することは避けるようにしましょう。
【有効なケース】
- 他社製品を販売する場合
事前に重複しないよう管理することも必要
重複コンテンツは事前に起こらないよう対策しておくことも重要です。
自社サービスや商品に関連するキーワードでコンテンツを作成していると、いつの間にか関連するキーワードや情報が似てしまい、結果的に重複コンテンツを発生させる可能性があります。
類似しているコンテンツは1つのページにまとめるか、それぞれのページに別の情報を追加して、重複を防ぐ必要があります。対策キーワードは、情報が被らないようリスト化しておくなど準備が必要です。異なるキーワードであっても、ユーザーの検索意図が同じである場合には、内容が重複する可能性が高まるため注意しましょう。
また、外部サイトと情報が類似してしまうケースも重複コンテンツと見なされる可能性があるため、オリジナリティを意識したコンテンツの作成が重要です。自社で調査した結果や、お客様の声など自サイト独自の内容を紹介しましょう。
重複コンテンツ対策でやってはいけない正規ページの指定方法
正規ページを指定する方法は上記で紹介しましたが、反対に重複コンテンツの対策でやってはいけない、正規ページの指定方法を3つご紹介します。
robots.txtを使う
URLを正規化する方法として、「robots.txt」ファイルを使用することは、Googleは推奨していません。robots.txtは、コンテンツをクロールさせないように制御できるファイルのことです。
robots.txtファイルを使用したページは、ページに関連した情報を消失させることになり、Googleからの評価も失ってしまいます。例えば、リンクされたページにrobots.txtファイルを使うと、リンクの評価がなくなるということです。
もし、robots.txtファイルを使って制御したページをGoogleが正規ページであると判断して高く評価していた場合、制御されたことによってページの評価は完全に失われるため検索順位は下がります。
そして、Googleはその他のページを評価しようとしますが、元々の評価が制御したページより低かった場合、検索順位は元よりも下がってしまいます。
一方、上述した「canonical」を設定する方法であれば、Googleによるページの評価は保持されるため、検索結果に影響することはありません。
noindexを使う
コンテンツシンジケーション以外で、「noindex」の使用もGoogleは推奨していません。
noindexは、検索エンジンに対してインデックスさせないために指示を出すものです。robots.txtはクローラーに情報の読み取りをさせないように制御しますが、noindexはクローラーに情報の読み取りはさせて検索結果に表示させないようにするものです。
仕組みは違うものの、robots.txtと同じくGoogleからのページの評価も消失するため、結果的に検索順位に影響します。
削除ツールを使う
Google Search Consoleのツールに、削除ツールがあります。Googleにコンテンツの削除を依頼でき、データベースからコンテンツを削除できます。
しかし、URLの正規化のために削除ツールは使用しないようにしましょう。削除依頼したURLの「www有り/無し」や「http/https」など、すべてのURLが削除の対象となるからです。
例えば、「www有り/無し」の2つのURLを、正規化する目的でどちらか一方を削除依頼した場合、正規化したいほうのURLまで削除されてしまう可能性があります。
削除ツールを使うと正規ページまで検索結果に表示されなくなるため、正規化を目的とした対策としては使用はしないようにしましょう。
重複コンテンツが外部サイトにある場合の対処法
重複サイトが外部サイトにある場合、どのように対処すればよいのでしょうか。コンテンツシンジケーションのケースと、コンテンツが無断で使用されたケース、それぞれで対処法を解説します。
コンテンツシンジケーションの場合はrel="canonical" ではなくnoindexを使用する
コンテンツシンジケーションで重複コンテンツが発生している場合には、配布先に「noindex」タグを設置してもらうことで重複を防ぐことができます。この方法はGoogleからも推奨されています。
以前は、コンテンツシンジケーションでの重複コンテンツの対策として、配布先に「canonica」タグを設置してもらい、自サイトのURLを正規化する方法が対処法とされていました。
しかし、2023年5月以降、Googleが「canonical」 ではなく「noindex」を使用する方法へ推奨を変更しています。
コンテンツシンジケーションの場合は、権威性のあるサイトの方が、検索順位に有利になってしまうことも考えられるため「canonical」 ではなく「noindex」で対策するようにしましょう。
【参考記事】
・正規化に関する問題の修正
・Googleニュースでの記事の重複を避ける
コンテンツが無断で使用された場合はDMCAの申請を行う
重複コンテンツが無断で使用されたケースの場合、コンテンツを削除してもらうよう、GoogleにDMCAの申請を行います。DMCA(Digital Millennium Copyright Act)とは、デジタルミレニアム著作権法のことで、Web上での著作権に関するアメリカの法律です。
▼ DMCAの申請は、Googleの専用フォームから行えます。
- Google Search Consoleにログインする
- 「著作権侵害による削除」フォームにアクセスする
- 個人情報や自サイトのURL、無断で使用されたURLなど必要事項を入力します。
- 無断使用されたコンテンツの盗用にあたる詳細を説明します。
申請したあとは、Google Search Consoleの「著作権侵害による削除」内にて、審査の結果が反映されるのを待ちます。
申請が通った場合には、対象のコンテンツは検索しても表示されなくなり、Lumenというサイトに申請した内容が公開されるようになります。反対に、申請の内容が曖昧などの理由から申請が却下される場合もあります。
そのため、DMCAの申請を行う際には、正当な理由かつ、正確に詳細を伝えるようにする必要があります。
まとめ
重複コンテンツは、意図せず発生するケースがほとんどで、盗用など悪意がなくとも内容が類似してしまったり、動的ページなど異なるURLが生成されることにより、重複する可能性があります。コンテンツを作成する際には重複とならないよう注意と対策を行い、発生していないかの定期的なチェックも必要です。
また重複コンテンツを防ごうとして誤った対策をすることで、検索結果に表示されなくなるなどのリスクもあるため、それぞれのケースに適した対策をとることが重要です。
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