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SEO対策 2023/10/26

SSL化(https)とは?SEO効果や検索順位への影響について解説

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2018年頃、GoogleはWEBサイトの常時SSL化(https)がSEOに影響する旨を発表しました。「SSL化することによって検索順位にどう影響するのか?」は非常に重要ですよね。今回は、SSL化による検索順位の動きやSSL化する上での注意点についてまとめました。

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SSL化(https)とは?

SSL化(https)とは、セキュリティを向上させるためにインターネット上のデータ通信を暗号化することを指します。最近ではあらゆるサイトでSSL化が進められており、SSL化されていないサイトはクリック率が下がる、SEOでも不利になると考えられます。

2015年に、ウィキペディアがSSL化を導入し、Yahoo!・Googleでもその後導入されました。2019年ですと、Googleに表示されるサイトの93%がSSL化されていることもあり、必ず対応するべきことです。

約10年前には48%だったSSL化対応のサイトですが、なぜ今これだけSSL化を導入しているサイトが増えているのか?その理由やSSL化とSEOの関係性についてもご紹介します。

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SSL証明書について

SSL証明書とは、一般的には「SSLサーバ証明書」を指します。SSL証明書は、サイトの運営者が実在していることを証明し、通信データを暗号化するための電子証明書のことです。

SSL証明書には「情報の暗号化」「実在証明」の2つの機能があります。

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GoogleがSSL化を推奨している理由

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WEBサイトの信頼性を確保するため

通信が暗号化されていないhttpでは、Webサイトとユーザーのやりとりを第三者に盗み聞き、盗み見られる危険性があります。

例えば、httpsに対応していないショッピングサイトの場合、お店とユーザーの間でクレジットカードや個人情報などの情報を送受信した場合、その情報がそのまま暗号化されずに行き来してしまうため、第三者に盗み見られる危険性が高まります。

WebサイトをSSL化することで、このような重要な情報が暗号化されて保護されるため、ユーザーが安心して利用できるようになりますし、Webサイトの信頼性の確保にもつながります。

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Googleからの警告に対応できる

クレジットカードや個人情報を扱うようなネットショップやSNSの多くは、そのほとんどがSSL化されています。

そういった中、Googleから下記のような警告メッセージが届いたことがきっかけで、個人事業用サイトでもhttpsへの切り替えが必須の流れとなってきました。

Chromeのセキュリティ警告を http://www.~~~.com に表示します
http://www.~~~.com の所有者様

2017年10月より、ユーザーがChrome(バージョン62)でhttpページのフォームにテキストを入力すると、「保護されていません」という警告が表示されるようになります。また、シークレットモードを使用している場合は、httpページにアクセスするだけで「保護されていません」と表示されます。

貴サイトでは、たとえば以下に示す URL に、Chrome の新しい警告が表示されるテキスト入力フィールド(< input type=”text” >、< input type=”email” > など)が見つかりました。これらの例を参考に、どのページで警告が表示されるかを確認し、ユーザーデータを保護するための措置を講じていただきますようお願いいたします。なお、下のURLの一覧は、すべてを網羅したものではありませんのでご注意ください。


WebサイトにGoogleサーチコンソールを導入している場合、このような警告メールが届いた方も多いのではないでしょうか。

つまり、2017年10月にChromeがアップデートされる際にセキュリティが強化され、SSL化されていないWebサイトのフォームにテキストを入力すると「保護されていません」という警告が表示されるというものです。

メールフォームやお問い合わせのページなど、入力を求めるページでSSL化されていない時などにこのような警告が表示されます。また、シークレットモードではhttpのページにアクセスするだけで警告が表示されます。

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Chrome 68に対応できる

Googleは、2017年10月からSSL未対応サイトに対する警告をしてきましたが、2018年7月にChrome 68がリリースされ、以降はその扱いをさらに強化しています。

現在、Chrome 68のリリースにより、すべてのSSL未対応サイトに「保護されていません」と表示させるようになりました。その結果、検索結果の1ページ目に表示されるSSL対応のサイトは、9割を超えたというデータもあるほどです。

このように、Googleはhttpからhttpsへの切り替えを推奨していることから、Webサイト全体をSSL化する重要性はますます増え続けることが予測されます。

将来的には、すべてのデータ通信がSSLにより暗号化されるとも言われています。そのため、今後Webサイトのリニューアルや、新規にWebサイトの構築を行う際は、httpからhttpsへ移行するなど、SSL化を意識した運営が必要となります。

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SSL化によるSEOにおけるメリットとは

SSL化を導入することによるSEO対策としてのメリットとしては、次の2つが挙げられます。

・検索エンジンの上位に表示されやすくなる
・警告表示によるユーザー離脱を防ぐ

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検索エンジンの上位に表示されやすくなる

WebサイトをSSL化したことで検索順位が下がる、または圏外となってしまう事例はよく見かけます。ただ、その多くは時間が経つと戻ってくる場合がほとんどなので安心してください。

現時点で影響を受ける確率は1%未満

SSL化が検索順位を決定する要因の一つになるとGoogleが公式発表しましたが、現時点でSSL化による検索順位が影響を受ける確率は「1%未満」と言われています。httpからhttpsに移行しても検索順位が劇的に上昇するというわけではないことが分かります。

Googleは「SSL化による検索順位への影響は少ない」と述べていることから、この結果は想定内であったと言えます。

3日~1週間後に検索順位に変動がある

Webサイトによって差はありますが、多くの場合SSL化してから3日~1週間後に検索順位に変動がみられるようです。

これまでは検索結果の1ページに表示されていたのに、いきなり順位が下がってしまったり、場合によっては圏外に飛ばされてしまったり、といった現象が起こります。こういった現象はメインページのキーワードに限らず、ほとんどのキーワードで起こっていることがわかりました。

1週間以降、徐々に順位が復活する

WebサイトをSSL化したあとに検索順位が下落したり、圏外になったりという事はよくあることで、少し不安な時間が続きます。

ただ、時間が経つと戻ってくる場合がほとんどなので安心してください。

SSL化により検索順位が下落したら、慌てることなくまずは計測をしながら様子を見守りましょう。多くの場合、1週間ほどすると一部のキーワードの検索結果が戻ってきて、それから徐々にすべてのキーワードの検索順位がSSL化以前の順位に戻ってきます。

キーワードによっては、検索順位が下がったり、戻ったりと不安定な時期もありますが、その後は元の順位に復活して同じような順位で安定してくるはずです。

結果的にSSL化により検索順位が上がるケースは多い

結果的にSSL化をしたあとに検索順位が上がるケースは多いです。

WebサイトをSSL化した後もほとんど検索順位の変動はなく安定している、もしくはSSL化後に一度検索順位が下落してその後徐々に復活し、最終的にSSL化前よりも検索順位が上がったという事例もあります。

そして、多くの場合で共通しているのが、検索順位が下落または圏外となってしまっても、時間が経つと復活するケースがほとんど、ということです。

今まさにSSL化をしたばかりで検索順位への影響が心配と不安に思われている方も、一度は圏外に飛ぶことがあるかもしれませんが、計測をしながら様子を見ていると、徐々に元の順位、あるいはそれ以上の順位が戻っていく様子を確認できるはずです。

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警告表示によるユーザー離脱を防ぐ

Chromeでは、SSL化されていないサイトにアクセスすると、警告の表示がでます。

警告表示を見たユーザーの中には、サイトのセキュリティを心配してページから離脱する傾向にあります。警告表示によるユーザーを離脱させないために、SSL化を1日でも早く導入することを推奨します。

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その他SSL化のメリット

その他のSSL化のメリットは下記が挙げられます。

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データの不正な修正リスクが減少

データの不正な修正リスクが減少するという点もメリットの1つになります。

企業や自治体の振込口座番号の書き換えがデータの不正な修正になります。SSL化をすればブラウザとサーバは暗号化されます。また、誰かが口座番号などのデータを書き換えた場合、書き換えの発見をできることが最大のメリットと言えます。

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アクセス解析に有効

特定ページのみをSSL化していた場合、SSL化を対応することでhttpsへと統一されるので、自社サイトのアクセス情報を効率的に分析が可能になります。

リファラ情報を受け取ることが可能になる

SSL化をすることで、Googleアナリティクスでリファラ情報を確認することが可能になります。

リファラ情報とは、あるWebページのリンクをクリックして、別のページに移動したときのリンク元のページの情報を指します。

ユーザが検索結果をクリックしてWebサイトにアクセスした際、Webサイトがhttpsのサイトであれば「Google検索からアクセスされたユーザー」としてアクセスログに残り、自社Webサイトの分析データとして蓄積させることができるようになります。

httpサイトではSSL化されたサイトからのアクセスがあった場合、リファラ情報が暗号化により受け取れなくなります。そのため、どこからWebサイトを流入したのかがわかりません。

ただし、SSL化で暗号化されたWebサイト同士のアクセスに関してはリファラ情報が受け取れます。よってSSL化によりリファラ情報がわかるといえます。

これにより、Googleのアナリティクスなどでの解析をより正確になります。

ユーザーがどこからどのような経緯でサイトを訪れているのかは、マーケティングにおいて非常に重要な情報です。ユーザーの流入経路がわかるようになれば、コンバージョン率の改善などにつながります。

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SSL化のデメリットとは

SSL化の内容とメリットについて紹介してきましたが、SSL化をすることはメリットばかりではありません。

SSL化により、費用が発生する可能性はあります。また、それなりに知識も必要になってきます。次にSSL化のデメリットをいくつか紹介していきます。

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Webサーバの知識が必要

SSL化のデメリットの1つ目は、Webサーバの知識が必要という点です。

SSL化をするとhttpからhttpsになりますが、httpsにする際に設定は自ら行う必要があります。また、その他のソフトやアプリの設定変更が必要になる場合があります。そのような設定に対応できる知識が不可欠です。

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費用がかかる場合もある

SSL化のデメリット2つ目は、費用がかかる可能性がある点です。

SSL化は基本的に無料で対応可能です。Webの知識が浅くSSL化のやり方がわからない場合は、サポート付きの有料サービスを利用する方が早く安全にSSL化できます。

有料と無料の違いは、基本的にサポートの有無だけですので、暗号化の強度や安全面にほとんど差はありません。

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Webサイトの表示スピードが遅くなることがある

SSL化のデメリット3つ目として、Webサイトの表示スピードが遅くなる可能性があります。

これはSSL化することによってサーバーの能力が向上はしておりますが、対応するパソコンによっては暗号化することで遅くなる可能性もあります。

表示スピードが遅くなることは最近ではあまり感じられませんが、想定しておく必要はあります。

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ホームページへの攻撃は防ぐことができない

最後に紹介するSSL化のデメリットは、ホームページへの攻撃は防げないということです。

SSL化をするかどうかに関わらず、ホームページは常に何かしら攻撃のリスクがあるといえます。

SSL化をすることで通信が暗号化されるので、セキュリティーは向上します。ただそれでもホームページは何かしら攻撃を受けるリスクはあります。

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SSL化後に行うべき対策

SSL化を導入した際に以下の3つは行いましょう。

・canonicalタグ
・リダイレクト設定
・SEOツールへの再登録など

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canonicalタグ

canonicalタグのチェックは必ず対応する必要があります。

canonicalタグはhtmlファイルの <head>内に記載することで、ページ評価の分散を防ぐことができるタグのことを指します。

このcanonicalタグがSSL化以前のURLのままになっていると、SEO評価が分散してしまうので、検索順位が下がる可能性もでてきます。

SSL化後は必ずcanonicalタグをhttpsのURLに書き換えましょう。

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リダイレクト設定

SSL化によって今まで積み上げてきたものがリセットされてしまうのではないかと考える方もいらっしゃると思います。

その心配は無用です。301リダイレクト設定(Webページを恒久的に移転先に転送すること)をすればそれまでのSEO評価を引き継ぐことができるのです。

301リダイレクト設定を行うためには「.htaccessファイル」を作成する必要があります。続いて、その「.htaccessファイル」を開き、次のように入力します。

RewriteEngine on
RewriteRule ^昔のディレクトリ名(.*)$ /新しいディレクトリ名$1 [R=301,L]


その後、「FTPツール」を利用して作成した「.htaccessファイル」をルートディレクトリにアップロードします。

アップロードが完了したら、リダイレクトをチェックするツールを利用しましょう。301リダイレクト設定がうまくできているかをチェックすることができます。

このとき、新しいディレクトリがルートディレクトリの中になかったりすると、エラー表示が出る可能性があるので注意してください。

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SEOツールへの再登録など

「Googleアナリティクス」「Google search console」といったSEOツールへの再登録を忘れずに対応しましょう。

その他、WordPressのURL変更、内部リンクの変更なども行う必要があります。

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まとめ

現在93%のサイトがSSL化に対応しているように、SEO対策を行う上でWebサイトのSSL化は必須になります。

正しい手順でSSL化を行うことで、WebサイトのSEO評価を高めることは間違いなく可能です。

また、導入後はSSL化の効果を最大化させるため、リダイレクト設定やcanonicalタグのチェックなどは忘れずに対応しましょう。これらの対応を忘れていると評価が分散されてしまいます。


この記事を書いたライター

SEO施策部

SEMを軸にSEOの施策を行うオルグロー内の一部署。 サイト構築段階からのSEO要件のチェックやコンテンツ作成やサイト設計までを一貫して行う。社内でもひときわ豊富な知見を有する。またSEO歴15年超のノウハウをSEOサービスに反映し、3,000社を超える個人事業主から中堅企業までの幅広い顧客層に向けてビジネス規模にあった施策を提供し続けている。

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