アクセスアップにつながるキーワード戦略ーロングテールSEO対策
アクセスを増やすためには先ず、ホームページが検索結果に上位表示されることが重要です。その結果、WEBサイトの露出度が上がり、ユーザーにクリックしてもらいやすい状況を作り出すことができます。
しかし、検索結果に上位表示されているのにもかかわらず「アクセス数が増えない」という場合は、はじめの段階で行う「キーワード選定のミス」が大きな要因になっている可能性があります。
そして中には、キーワードの選定が重要だということは分かっていても、「ビッグキーワードとロングテールキーワードどちらで対策をすればいいのか?」「ロングテールSEOを実践したいけど、どんな対策をすればいいのか?」など、キーワード選定に悩まれている方も多いようです。
今回は、そういった悩みや疑問を解消する為に「ロングテールSEO対策」についての基礎知識や重要性、実現するための方法について解説していきます。
ロングテールSEO対策の基礎知識
キーワード選定は、ユーザーのニーズを理解して、効率よくSEO対策をするためにも重要な作業です。
かつては、「ビッグキーワード」と呼ばれるキーワードの上位表示を目指しアクセスを集め、売上を上げるという方法が主流であった時代もありましたが、今は決してそうとは限りません。
爆発的なインターネットの普及で、パソコンだけでなくスマートフォンやタブレットを使ってネット上のあらゆる情報を得られるようになりました。その結果、ユーザー自身も検索エンジンを自由に使いこなせるようになり、ビッグキーワードと呼ばれる1つのキーワードに限定することなく、「〇〇 △△△」といったように複数のキーワードを組み合わせた「複合キーワード」を使って検索することが増えました。
そういった中で現在、アクセスアップにつながるキーワード戦略として大きな注目を浴びているのが複合キーワードで上位表示を目指す「ロングテールSEO対策」です。
ロングテールとは?
ロングテールとは数あるネット販売の手法や概念の1つであり、店舗のメイン商品や売れ筋商品だけでなく販売機会の少ない商品も幅広く取り揃えることで、対象となる顧客数を増やし、全体の売上げを高めていくという考え方です。
インターネットが普及する以前は、実店舗で販売されている「上位20%の人気商品が、そのお店の売上全体の80%の売上を占める」という考え方(パレートの法則、80:20の法則)が一般的でした。そのため、人気商品を店舗の目立つところに置いて、それ以外の商品は隅に追いやられる傾向にありました。
ところが、オンラインで商品を販売することで店舗運営のコストを抑えたネットショップが普及した今、これまでの常識をくつがえす新たな法則が生まれました。それが、「ロングテール」と呼ばれるものです。ロングテールは、「上位20%の人気商品の売上よりも、それ以外の商品の売上が上回る」という法則です。
実店舗の場合、陳列スペースなどの物理的な制約があるため、人気商品を目立つ場所に陳列することで売上を伸ばすマーケティング手法が一般的です。
一方、ネットショップの場合、そのような制約がないので、人気商品以外の商品の掲載数を多く取揃えることが可能です。
ロングテールSEOとは?
「ロングテールSEO」とは、ロングテールの法則の考えをSEO対策に応用したものです。つまり、人気商品をビッグキーワードとした場合、人気商品以外の商品はロングテールキーワードとなります。ロングテールキーワードは、検索ボリュームの多いビッグキーワードに、検索ボリュームの少ないスモールキーワードを掛け合わせて作られたキーワードです。
ロングテールキーワードには「競合が少ない」「程よい検索ボリュームがある」といった特徴があり、そのキーワードを狙ってSEO対策をすることで「安定した集客を見込める」と考えられています。これこそがロングテールSEO対策の最大のメリットと言えるでしょう。
ロングテールSEO対策の重要性
ロングテールSEO対策の重要性は、以下のようなメリットを知ることでより理解が深まります。
3つのメリット
- メリット(1)上位表示のしやすさ
- ライバルが少ないため上位表示されやすい
- 結果的にビッグキーワードでの上位表示を狙える
- メリット(2)アクセスの集めやすさ
- 上位表示されるとクリック率が上がりやすい
- モチベーションの高いユーザーからのアクセスが増える
- メリット(3)コンバージョン率、転換率の高さ︎
- 契約や購入などのコンバージョンに結び付きやすい
メリット(1)上位表示のしやすさ
ロングテールキーワードでSEO対策をすることの1つ目のメリットは、ライバルとなる競合が少ないので、頻繁に対策内容を強化せずとも、上位表示できる傾向にあります。
一方、ビッグキーワードの場合、ライバルとなる競合が多いので、頻繁に対策を強化し続けないとなかなか上位表示できず、検索順位の変動も起こりやすいです。
メリット(2)アクセスの集めやすさ
2つ目のメリットは、ビッグキーワードと比べて検索順位の変動が起こりづらいことです。そのため、安定したアクセスが見込めます。
また、1つのキーワードに対して集中的に対策を行うビッグキーワードのSEO対策は、順位変動によって大きな影響を受けてしまいます。それに対しロングテールのSEO対策は、複数のロングテールキーワードにリスクが分散されているため、特定のキーワードの順位が変動してもアクセスには影響しづらいです。
メリット(3)コンバージョン率、転換率の高さ︎
3つ目のメリットは、複合キーワードで検索するユーザーは目的が明確化されていることが多く、ニーズの強いユーザーからのアクセスが見込めるため、ロングテールキーワードを狙ってSEO対策を行うことは契約や購入意欲の高いユーザーの自然流入を増やし、コンバージョンにつながりやすい状況を作り出せるということです。
- ビッグキーワード「iPhoneケース 通販」の例
- 仮にiPhoneケース大理石の商品ページがあったとして、上記「iPhoneケース 通販」のキーワードで上位表示させたとしても検索ユーザーが具体的にどんなiPhoneケースを求めているのか不明確なため、注文につながる可能性は低いといえるでしょう。
- ロングテールキーワード「iPhoneケース 大理石 通販」の例
- 上記に比べ、同商品ページを「iPhoneケース 大理石 通販」のキーワードで上位表示させた場合、検索ユーザーが具体的にどんなiPhoneケースを求めているのか明確なため、注文につながる可能性は高いと言えるでしょう。
ロングテールSEO対策を実現するための方法
「ロングテールSEO対策」を実現するために行うべきことを大きく5つの段階に分けて解説します。
尚、ロングテールSEOの効果を最大化するためにも、『WEBサイト構造を整理しておく』ことが大切です。
例えば、「トップページ > カテゴリーページ > コンテンツ」という構成のWEBサイトを制作する場合は、トップページにビッグキーワード、カテゴリーページにミドルキーワード、コンテンツにロングテールキーワードを設定します。
キーワードを調べる
ロングテールSEO対策を実現する第一段階として先ずは、トップページに設定するビッグキーワードを調べることから始めます。
Googleの無償ツールであるキーワードプランナーを使って関連するキーワードの「月間平均検索ボリューム」を調べられます。

ビッグ、ミドル、スモールのそれぞれのキーワード定義は以下とされています。
ビッグキーワード:
月間検索回数が1万回以上(検索ボリュームが多いキーワード)
ミドルキーワード:
月間検索回数が千回以上1万回未満
スモールキーワード:
月間検索回数が千回未満(検索ボリュームが少ないキーワード)
関連キーワードを調べる
トップページに設定するビッグキーワードを決めたら、次にカテゴリーページに設定するミドルキーワードを調べます。キーワードプランナーでは、「関連キーワードを調べる」ことも可能です。ビッグキーワードから派生した複合キーワードでどのようなものがあるかを調べることができます。
先程の基準をもとにキーワードプランナーでミドルキーワードが選定できたら、カテゴリーページに設定します。

ロングテールキーワードを調べる
カテゴリーページに設定するミドルキーワードが決まったら、それぞれのカテゴリーで「コンテンツ」を作るための「ロングテールキーワード(複合キーワード)」を調べます。尚、ここでもGoogleのキーワードプランナーを活用します。
(2)の手順でミドルキーワードを調べた時に様々なロングテールキーワードを使ってユーザーが検索をしていることが分かります。
例えば、「糖質制限」というビッグキーワードに対し、下記のようなロングテールキーワードが確認できました。
「糖質制限 セブンイレブン」
「糖質制限 ローソン」
「セブンイレブン メニュー」
「セブンイレブン 麺」
「セブンイレブン 食品」
「セブンイレブン 弁当 カロリー」
糖質制限で検索するユーザーの意図として、コンビニ食のカロリーを気にしていることや身近にあるコンビニで手軽に糖質制限ができる方法がないかを調べようとしていることが推測できます。
そのため、「コンビニの食品で手軽にできるダイエットメニューの作り方」などのコンテンツを作れば、アクセスを集めやすくなるため、上位表示されやすくなると言えます。
ロングテールキーワードはこのようにキーワードを詳しく分析すると、ユーザーの検索意図が徐々に見えてくるため、次にどのようなコンテンツ制作をするべきかが分かるようになります。
コンテンツをつくる
ロングテールキーワードを決めたら次に行う作業が「コンテンツ作成」です。
先程の「糖質制限」の例のように、調べたロングテールキーワードからは、それぞれのユーザーの検索意図を知ることができます。
コンテンツをつくるときは、このようなロングテールキーワードに込められた「ユーザーの検索意図を想定して、それに応える良質なコンテンツ」をつくることが大切です。
検索エンジンは、良質なコンテンツを作り続けるWEBサイトを評価する傾向にあります。狙ったロングテールキーワードが上位表示されやすくなる事で、アクセスの増加、滞在率の高さ、ナチュラルリンクの増加などの観点からサイト全体が評価され、それ単体では難しいビッグキーワードでも自然に上位表示されるようになるなど、幅広いSEO効果が期待できます。
現在、WEBサイト全体のアクセス数の約8割が「ロングテールキーワード」からの流入だと言われています。ロングテールSEO対策の魅力は、「契約や商品購入、資料請求などのコンバージョンを達成しやすい」「安定した集客を見込める」ということです。
SEO対策では、キーワード選定が非常に重要な役目を果たしますが、ロングテールSEOをする際もそれは同じで、適当にキーワードを選んだだけでは検索結果に上位表示される可能性は低いですし、アクセス数を増やすことも困難です。
アクセスの増加や検索順位の上位表示を目指す為には、今回紹介した「ロングテールSEO対策を実現するための方法」を参考に、ターゲットユーザーが検索しそうなロングテールキーワードを見つけて、良質なコンテンツを作成することが大切です。そして、ユーザーのニーズに応える有益な情報を提供するWEBサイトを制作できれば、検索エンジンにも評価されて検索結果に上位表示されやすくなります。
以上、「ロングテールSEO対策」を実現するために行うべきことの解説でした。
SEMを軸にSEOの施策を行うオルグロー内の一部署。
サイト構築段階からのSEO要件のチェックやコンテンツ作成やサイト設計までを一貫して行う。社内でもひときわ豊富な知見を有する。またSEO歴15年超の塩田英司のノウハウをSEOサービスに反映し、2000社を超える個人事業主から中堅企業までの幅広い顧客層に向けてビジネス規模にあった施策を提供し続けている。
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