トリプルメディアの考え方とは?現代のメディアにマッチしたコンテンツマーケティングのあり方

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トリプルメディアの考え方とは?現代のメディアにマッチしたコンテンツマーケティングのあり方

WEBサイトやSNSなどが急速に発展したデジタルマーケティング時代に突入し、マスメディアを中心に情報を提供していたこれまでの伝達手段が大きく変化を遂げました。
こうした中、顧客に対して価値のある有益なコンテンツを提供することで見込客を作り、更に興味を持ってもらい、最終的に利益につながるようにする、コンテンツマーケティングという手法が注目されるようになりました。

日本では、5年ほど前から徐々にコンテンツマーケティングという言葉が多く聞かれるようになりましたが、そのコンテンツマーケティングを語る上で欠かすことのできない考え方がトリプルメディアという考え方です。

しかし、コンテンツマーケティングに関わっているという人の中には、このトリプルメディアの考え方をよく理解しないままコンテンツマーケティングを始めてしまっている人が少なくないようです。

そこで、今回はコンテンツマーケティングを始める時に押さえておきたいトリプルメディアという考え方、そして現代のトリプルメディアに適したコンテンツマーケティングとは何か、ということを解説します。

1.

トリプルメディアとは?

トリプルメディアとは、多種多様な役割を持っているメディアを

  • ペイドメディア(Paid Media)
  • オウンドメディア(Owned Media)
  • アーンドメディア(Earned Media)

という3つのメディアに分類したフレームワークのことです。

 

一言でいうと、ペイドメディアはお金を払って出稿するメディア、オウンドメディアは自社で所有するメディア、アーンドメディアはSNSやブログ上で評判を獲得したメディアのことです。

 

これら3つのメディアは、特徴や役割などがそれぞれ異なります。各メディアが与える消費者への影響などをしっかりと理解した上で活用することにより、その時代に合った戦略を理解できるようになります。

 

それでは、それぞれのメディアの特徴や役割についてもう少し説明します。

 

1-1.

ペイドメディア(Paid Media)

ペイドメディアは、企業が消費者にメッセージを伝達するために、広告費を払って広告に出稿するというメディアを指します。
テレビや新聞、雑誌、ラジオなどのマスメディアに加え、GoogleやYahoo!などの検索エンジンに掲載するネット広告などがペイドメディアにあたります。

トリプルメディアという考え方が誕生する前は、人目に触れやすく、拡散力が高いペイドメディアを活用して企業が消費者に情報を伝達する手段が主流でした。

近年は、FacebookやTwitterなどのSNSに広告を掲載する手段も一般的になり、登録された住所や年齢などをもとに、より細かく絞り込んだターゲットユーザーにだけ広告を出稿できるようになりました。

1-2.

オウンドメディア(Owned Media)

オウンドメディアは、その名のとおり自社で所有しているメディアのことを指します。
自社で運営しているWEBサイトやブログ、自社アカウントのFacebook、TwitterなどのSNS、その他メールマガジン、それに自社商品を販売するECサイトなどもオウンドメディアに含まれます。

自社の情報を制限なく自由に発信できること、広告では掲載しきれない内容を補完できます。短い期間で集客を見込むようなペイドメディアとは違い、長い時間をかけて自社メディアを育てる必要があるため、長期的な集客に向いているメディアとされています。

1-3.

アーンドメディア(Earned Media)

アーンドメディアは、FacebookやTwitter、最近ではInstagramなどのSNSやブログ上、それに口コミサイトなどを使い、消費者が自ら情報を発信したり、消費者同士でコミュニケーションを図れたりするメディアのことを指します。
他にも、ECサイトに掲載されている商品について書かれたレビューやクチコミなどもアーンドメディアに含まれます。

発信内容が全て消費者に委ねられているので、発信される情報をコントロールしにくいという面もあります。一方で、メディア発信元の意見ではなく、第三者からの意見であることから信頼性が高く、その情報に対して多くの共感を得られた場合は爆発的に拡散されるといった大きな力を持っているメディアです。

1-4.

トリプルメディアの関係性

ペイドメディア・オウンドメディア・アーンドメディアという3つのメディアの特徴をみると分かりますが、それぞれのメディアにはメリットとデメリットが存在します。

ペイドメディアは人目に触れる機会が多く、たくさんの人に情報を伝達しやすいといったメリットがありますが、その一方で情報発信が企業側の一方通行になりやすいことや、広告を出稿するため他のメディアに比べて費用がかかるといった短所があります。

オウンドメディアは、長期的な集客に向いているメディアなので即効性はありません。ただ、自社で情報を発信するので、自ら情報の内容や量をコントロールできるなど、消費者のニーズに対して最も訴求しやすいメディアです。

アーンドメディアは、第三者から情報が発信されるので最も信頼性が高いことから、消費者側が気軽に入りやすいといったメリットがあります。ただ、企業側としては情報をコントロールしにくいこと、直接的な販売力がないといった短所があります。

3つのメディアにはメリットとデメリットがあり、こういったそれぞれの短所をそれぞれの長所で補うといった相互関係により成り立っています。

2.

トリプルメディアを活用したマーケティング手法

トリプルメディアが誕生する前は、ペイドメディアと呼ばれるテレビや新聞、雑誌、ラジオなどのマスメディアが主流でした。実際、インターネットやパソコン、スマートフォンなどが普及する前の情報量が少ない時代は、一度に多くの消費者に情報を発信できるペイドメディアは非常に効果的でした。

ただ、インターネットやパソコン、スマートフォンが普及し、WEB上に情報が溢れる今、ペイドメディア単体では以前のような効果はあまり期待できません。

ペイドメディアにオウンドメディアやアーンドメディアを組み合わせたトリプルメディアの考え方が誕生した今、これまでの企業が一方的に訴えかける伝達手段から、情報を必要としている消費者ニーズに対して、その情報を取得しやすい状態を作っておくという考え方が注目されるようになりました。

そうして注目されるようになったのが、トリプルメディアの考え方にマッチしたコンテンツマーケティングという伝達手段です。

2-1.

コンテンツマーケティングとは?

コンテンツマーケティングは、消費者にとって役に立つ・価値のあるコンテンツを制作し、発信することで見込客として消費者を引きつけ、最終的に利益を促し、その関連性を定着させる事を目指すといった一連の行動全体のことを指します。

商品やサービスを一方的に売り込んだり、単にコンテンツを作ったりするのではなく、消費者が求める適切で価値ある情報を含めたコンテンツを制作・発信し続けることで、潜在顧客に見つけてもらえる仕組みを作ることがコンテンツマーケティングです。

コンテンツマーケティングといえば自社サイトやブログのようなオウンドメディアと言われることが多く、もちろんこれも間違いではありません。
ただ、コンテンツマーケティングはオウンドメディアを含め、動画や画像、電子書籍などのデジタル媒体、それに紙媒体などのコンテンツも該当します。

オウンドメディアを情報の中心に、適切なチャネルを効果的に使いながら価値のあるコンテンツを拡散して、多くの人に見つけてもらえる状態を作り出すことが大切です。

2-2.

コンテンツマーケティングを支えるLike a Publisherという考え方

コンテンツマーケティングは、コンテンツを通じコミュニケーションを重ね、購買行動を促すきっかけを作るという考え方のマーケティングです。

そこで、よくコンテンツマーケティングといっしょに耳にするのが「Like a Publisher」という言葉で、この考え方はコンテンツマーケティングを支える1つの柱となっています。
日本語で直訳すれば、編集者のようにという意味になりますが、ここでいうパブリッシャー(Publisher)は自ら情報を広く発信する者という意味を指します。

トリプルメディアの考え方が一般的になった今、企業側はあらゆる伝達手段を使って商品やサービスなどの情報を発信できる時代になりました。
だからこそ、以前のように情報を無理に提供するのではなく、ユーザーが情報を求めているときに適切なコンテンツを提供できるように、企業がパブリッシャーという立場から自ら情報を発信して、その情報から集客につなげていこう、というのがLike a Publisherが意味することです。

最近は、商品の誕生にまつわる歩みをストーリー仕立てにして伝えたり、面白い逸話などを公開したりして、商品やサービスの良さを伝えながら企業に対して親しみを持ってもらおうという意図のもと、コンテンツマーケティングを実践している企業がたくさんあります。

2-3.

コンテンツマーケティングの成功例

企業がパブリッシャーという立場から自ら情報を発信しているコンテンツマーケティングの具体例として、2014年にタイの生命保険会社が投稿した“Unsung Hero”という動画を紹介します。

 

この動画は、ある青年が対価を求めず無償で人々に奉仕し続け、人生にとって本当に大切なものは何かを視聴者に訴えかける内容の動画で多くの反響を呼びました。

動画の最後に企業からのメッセージ、そして企業ロゴとWEBサイトのURLが表示されていて、視聴者の中にはURLをクリックして実際にその企業のWEBサイトを見たり、YouTubeからその動画をSNSにシェアしたりする人も多かったようです。

 

企業がパブリッシャーとなって情報を発信する際は、ユーザーの時間に一方的に割り込み、企業目線で商品やサービスを発信していては上手くいきません。

こういったコンテンツマーケティングの成功例からも分かるように、発信する情報は企業目線ではなく、消費者目線であることが大切です。商品やサービスを論理的に訴求するだけでなく、情緒的なメッセージを表現して企業やブランドの世界観に対して共感してもらうことを心がけることが重要視されています。

 


企業側から商品やサービス、企業情報などを消費者へ伝達する手段は様々です。

トリプルメディアの考え方が生まれたことによって、その時代に合わせた戦略が求められ、そこで新たなコミュニケーションの手段として注目されたのがコンテンツマーケティングです。

 

柔軟な対応ができるコンテンツマーケティングは現在のトリプルメディアの考え方にマッチしており、企業側がパブリッシャーとして情報を発信し、消費者と自然なコミュニケーションを図ることで将来の見込客を獲得するためのマーケティングです。

 

このようなトリプルメディアの考え方やコンテンツマーケティングの支柱となるポイントをしっかり理解することで、それぞれの企業に合ったマーケティング戦略が見つかるはずです。

 

以上、トリプルメディアという考え方や現代のメディアに適したコンテンツマーケティングについての解説でした。


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